
人生にはつまらない真実ばかりでなく、時には愛すべき夢物語や、善意からの嘘が必要な時もあるかもしれません。
“心ある嘘”によって、絶望の淵にあった人の心が救われるエピソードが有名なのはO.ヘンリーの「最後の一葉」。
そんなO.ヘンリーの小説の世界観を思い出させる、心温まるイギリス映画を紹介:
「Dear フランキー」(Dear Frankie)
夫のドメスティック・バイオレンスから逃げ出し、祖母と聴覚障害を持つ息子フランキーを連れ、スコットランド中を転々として暮らすリジー(エミリー・モーティマー)。 父親と別れた時はまだ幼かったため、事情も知らず父親の顔も覚えていないフランキーを傷つけたくなくて、リジーは「パパはACCRA号に乗る船乗りで世界中を航海しているから会えないの」と嘘をつき、父親のフリをして息子から父親宛の手紙に返事を書き続けていた。
そんな中、本当にACCRA号という船がリジー達の住む港町に寄港してしまうことになり・・・。
んー、地味ですが、素晴らしいの一言に尽きる作品でした。
作家の沢木耕太郎氏に本作DVDを送って、今すぐレビューを書いて頂きたくなるようなヒューマンドラマ。
そんなに期待しないで観たはずが、非常に心動かされ、私の「生涯心に残る名画リスト」入りです。
音楽に喩えるなら、タワレコでとりあえず視聴しておくか、くらいのノリで聴いてみたストーン・ローゼズのデビュー盤が、「生涯のマイベスト10枚」入りしてしまった時みたいな。(UKロックファンしか分からない喩えですみません。) この映画はこんな方にオススメです:
1.
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や「ギルバート・グレイプ」のような心温まる作品は何度でも観たいと思う人
2.O.ヘンリーの短編小説のタイトルを少なくとも3つ以上言える人
3.GW最終日は家でゆっくりビデオ観賞でもしようかな?と思案中の方
(速攻、ツタヤでレンタルを!旧作料金ですから。)
4.涙もろい方では無いのに、健気な子供の姿にはつい涙腺が緩んでしまう人
5.「最近、ややこしくて、疲れる映画が多すぎる!今、観たいのは素直に感動できる映画だ!」って気分の人
6.イギリス映画「秘密と嘘」や、名作「スモーク」、「ネバーランド」あたりも好きな人
7.映画はなんだかんだ言ってもハッピーエンドが好きな人
登場人物達は、みんな誰かが誰かを思いやって行動するのですが、その善意が微妙にすれ違ったりもします。
でもすれ違っても、その心遣いが間接的な幸せをもたらしてくれます。
結局のところ、善意というのは「何をするか」でも「どう届くか」でも無く、「心から相手を思いやる」ところに、意味があるのかもしれません。
余談ですが「オペラ座の怪人」の主演で話題を呼んだジェラルド・バトラーがキイ・パーソンとして助演しています。この人の仮面無しの顔はジョージ・クルーニー系で守備範囲外でしたが(←ファンの方、ごめんなさい)
演技はユアン・マクレガー的な温かみがあって◎でした。
イラストは郵便ポストの前にたたずむフランキーを描いてみました。
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