
2006年もあと二日で終了ですので、自己記録用に今年、一番の出逢いとなったこの人の音楽について書いておこうと思います。
Jeff Buckley "Grace"
ジェフ・バックリィは93年、EP"Live At Sin-e"でデビュー。
94年に発表したこの"Grace"によりその才能を絶賛され将来を嘱望される中、97年に31歳の若さで溺死し生涯を閉じた、夭折のミュージシャン。 Radioheadのトム・ヨークがリスペクトするアーティストとして名前は知っていましたが、実は今年までその歌をまったく聴いたことがありませんでした。(←私にはありがちなこと!)
初めて聴くことになったのは、Coldplayのライヴに行った際に、友人からCDをもらったのがきっかけです。
その歌を初めて聴いた時の印象は村上春樹的に言えば
「そこでは誰かが涙を流している。僕の為に涙を流しているのだ。」
という気持ちにさせられるような、切ない哀感溢れる世界観。
このアルバムはこんな人にオススメです:
1.Radioheadの"Lucky""No Surprises"のような叙情的な歌が好きな人
2.U2では"40""One""All I want is you"あたりが一番好きだという人
3.Coldplayはキャッチーな"X&Y"より"Warning Sign"の入った2ndアルバムに一票という人
4.映画
「エリザベスタウン」の中でキルスティン・ダンストがオーランド・ブルームに「ジェフ・バックリィのお墓に寄ってね」と言ったセリフが気になった人
5.誰にも似ていない、“本物”の歌が聴きたい!という人
6.音楽を自分もやっている人(=特にG.とVo.やっている方は必聴)
特に私が好きな曲は"So Real"と"Lilac Wine""Hallelujah"です。
ジェフ・バックリィの歌声は艶がありながら透明感もあり、男性としてはかなりキレイな声に属すると思うのですが、一小節の最後の方が息苦しく途絶えそうな歌い方をします。
んー、ここが好き。なんというか「伝えたいけど伝えきれない」感でいっぱいな感じが逆に琴線に触れます。
過剰なものよりも、少し足りないものの方が心惹かれるという感じでしょうか?
生前のインタビュー映像で「オーディエンスにどう聴いてほしいか?」とインタビュアーに聞かれて
"Whatever you want(好きなように感じてくれればいい)"と答えていた、その言葉も刺さりました。
朱に交わっても赤くなりづらい私は、なんとなくリアルでもネットでも“予定調和”を求めるノリに脱力してしまうことがたまにあります。あらかじめ、相手に期待する“答え”や”反応”を用意しているような。
慰めてほしい人には「大丈夫?」って言葉に出して励ましてあげないといけない、「これが超いい!」と言っている人には同感してあげないといけない・・・なんか、こう、みんなで意見と方向性を同じにしなくちゃいけないかのような暗黙のプレッシャーが巷に溢れているような。
感じ方や態度の表し方なんて、人それぞれでいいじゃんと思う私にはこのジェフの”Whatever you want”がなんだか、とてもしっくり来ました。

今年は音楽も含めて良い出逢いがありました。
20歳〜25歳くらいは「色んな人に出逢いたい、いろんな物を知ってインスパイアされたい」という願望が人並にあって、今より社交的・積極的に活動していましたが、そこから得た教訓は:
「“単なる知人”が増えていくだけで、“友人”の絶対数はそう変わらない」
「人も物(音楽・映画・文学など)も出逢いは結果であって、目的ではない」
こんな感じでしょうか?そういう意味で、今年は求めていなかったのに、結果的に良い人・モノに出逢えた年だった気がします。
イラストは2枚描きました。1枚は晩年のちょっと長髪気味のジェフ。
もう1枚は若い時の短髪のジェフが寂しそうにたたずんでいる様子。
今年はこの2枚が描き納めとなりました。
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