
私の母は年齢の割にはおそろしく情報収集率が高く、突然に携帯メールが届く時は、「WOWOWで○○の映画を特集しますよ」などといった、メルマガのようなお知らせか、”タワレコメン”並に、何かを大プッシュする時です。
先日も「今日の『ベストヒットUSA』にポール・ウェラーが出演するようです」というメールが届いたり。
そんな母の今月のイチオシはWOWOWで特集した、フランス映画界の重鎮エリック・ロメール監督の映画。
ということで今回は、代表作2本を紹介します:
★「緑の光線」(Le Rayon Vert)彼氏と別れて2年、孤独な日々をパリで過ごすデルフィーヌ。 夏のヴァカンスにギリシャ旅行に行くはずだったのも、女友達からのドタキャンによって計画が白紙になってしまう。
「このままではヴァカンスも一人ぼっち!」と、ますます孤独感で不安になる彼女を優しく慰める周囲の人達。
そんな中、別の女友達がシェルブールの海辺に誘ってくれたが、ちょっと気難しく、ネガティブ志向の彼女は、そこでも周囲の楽しい雰囲気に馴染めず、早々にパリに戻ってきてしまう。
今度は一人でビアリッツの海岸に出掛けるが、そこで寂しく時を過ごすうち、“緑の光線”にまつわる話をふと耳にして・・・。
一人でいられない寂しがり屋で、周囲に「寂しいの、惨めなの」と甘える割には、じゃあ積極的に行動を起こせと言われても、「私は白馬の王子を待っているの」的な受身のヒロイン。
私はサッカーで言うとストライカータイプの性格ですので、こんなヒロインには120%共感できません。
が、そんなヒロインでも最後まで温かい目で見守ってしまえるのは、ロメール監督の演出と画作りの巧さですね。この作品はこんな方にオススメです:
1.
「幸せのレシピ」を観て、他人にストレートに接することができない不器用な
ヒロインに、激しく共感してしまった人(男女問わず)
2.「死ぬまでにしたい10のこと」
「猫が行方不明」あたりの映画も好きな人
3.集団での飲み会やバカ騒ぎは苦手なのに、仲間ハズレや周囲から浮くことも
不安に感じる性分なので、結局、心ならずも会に参加してしまいがちな方
4.日常を淡々と描いたスケッチ的なスタイルの映画や小説が好きな人
5.緑や澄んだ空気、街の息遣いを感じさせてくれる、優しい雰囲気の映像がストライクな人
6.観賞後にちょっと救われた気持ちになれる、清々しい作品をお探しの方
★「友だちの恋人」(L'Ami de Mon Amie)パリ近くの市役所で働くブランシュは、ある日、美人でサバサバした女子大生レアと知り合い親しくなる。
知的で気の優しいブランシュだが、シャイで消極的な性格のせいで、なかなか彼氏もできなかったり。
一方、やや奔放でワガママなレアはファビアンという誠実な恋人がいながらも、別の男友達とヴァカンスに!
残されたファビアンとブランシュは、共通の趣味をきっかけに、次第に惹かれ合っていくようになるが・・・。
こちらは87年の作品ですが、なんだかとっても”月9”的なストーリー展開。それでいて軽妙でお洒落感のある映像ですので、“30代丸の内OL”といった方にも漏れなく支持を得そうな気がします。
この作品はこんな方にオススメ:
1.「ブリジット・ジョーンズの日記」「フォー・ウェディング」「最高の恋人」のうち2本以上ハマれた人
2.恋愛に関してちょっと臆病で消極的なヒロインを見ると、つい応援してしまいたくなる男性
3.
「ラブ・アクチュアリー」の中で一番好きなエピソードは、婚約者の親友から恋心を抱かれるキーラ・ナイトレイの話・・・という方
4.大きい声では言えないが、「普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇」と謡った、石田衣良の短編集「スローグッドバイ」が意外とストライクだった人
女性好みの作品ですが、対照的なヒロイン二人はどちらもナチュラルで可愛らしいので、男性にも漏れなくオススメです。紹介した2本とも、来月10/17にWOWOWで再放送しますので、ご興味のある方はチェックしてみて下さい。
WOWOWの映画番組情報はコチラ →
http://www.wowow.co.jp/movie/イラストは「友だちの恋人」のワンシーンを描いてみました。
TB久しぶりにトライしましたがやはりダメでした。TT
>緑の光線
今回のお薦めでは、3が一番フィット。
彼女は考えが独自で言わば孤高で集団の中でこそ孤独を感じる。しかし、孤高と言えども大半は一人ぼっちが好きなわけではないので、そういう矛盾した態度になるんです。そうした人もヒロインのように時に行動を起こす。自分がそうだからよく解ります(笑)。
>友だちの恋人
忘れちゃったなあ(笑)。
それにしても洒落たお母さまですね。^^