
相方が仕事の関係で今日は夕飯はいらない・・・なんて日は、ここぞとばかりにタワレコ → 青山ブックセンター → 行きつけのラーメン屋というコースを巡回します。
私は昔から一人で街をプラプラするのが好きで、独身時代は海外でも一人旅してしまうような種族でしたが、職場の後輩女性などから必ず「一人でラーメン屋行くんですかぁぁ?信じられなぁぁい!」と、語尾に絵文字でも付きそうな勢いでダメ出しされます。
一人で行くどころか、替え玉も頼んでしまい「麺、固めで!」と注文までつけてしまいますが、ナニカ?
どうも他人と群れるのが苦手で一人行動好きのせいか、結果的に友達、特に女友達の数は極めて少ない気がします。
こんな自分のライフスタイルにピッタリな、パトリス・ルコント監督の新作映画を観てきました。
「ぼくの大切なともだち」(Mon meilleur ami)
オークションで狙っていたギリシャの高価な壷を落札して上機嫌の美術商 フランソワ(ダニエル・オートゥイユ)。 自己中で結構、他人に無関心な彼は、自分の誕生日ディナーの席で、ふとした話をきっかけに「キミの葬式には誰も来ない。だってキミには友達がいないから。」と友人らが口を揃えて言うのに大ショック。
必死に反論するうちに「10日以内に親友を連れてくる」という賭けをする事に!
焦って“親友探し”に奔走するフランソワは、たまたま乗ったタクシーの運転手ブリュノの人当たりの良さに注目し、彼に“友達作り”のコツをレクチャーしてもらおうとするが・・・。
かなり笑えて、でもちょっとペーソス溢れる“いい話”です。この作品はこんな方にオススメ:
1.ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」を読んでハマった人
2.ミスチルの歌の中で♪親友との約束もキャンセルして〜 部屋でナイターを見よう〜♪なんて歌詞に意外と共感してしまう人
3.「ドライビングMissデイジー」のような大人の友情をテーマにした作品がストライクな人(モーガン・フリーマンが好演していて、こちらも名作です)
4.
「イタリア的、恋愛マニュアル」のようなホロっとさせられるコメディが好きな人
5.職場の飲み会ではひたすらサービス疲れしているけれど、帰り道の電車の中で大音量で音楽を聴くと、妙に解放された気持ちになる人
6.心にも無いお愛想を言ったり、相手に調子を合わせたりするのが、結構メンドーくさい人
7.他人と群れるのは嫌いだけど、時々、ふと孤独を感じると切なくなってしまう人
8.若い頃より、いい年になった今の方が友情の有難味が身に沁みるO-30世代
「親密すぎるうちあけ話」など、フェチズムと中年男性の悲哀を描かせたら右に出る者はいないパトリス・ルコント監督ですが、本作のようなウィットに富んだコメディを作らせても秀逸。
気の利いたセリフだけでなく、フムフムと頷きたくなるような人生哲学が垣間見えるシーンもあり、観終わった後にシミジミとしてしまいました。
30代以上で、毎日、“働きマン”な日々を送っていて、深呼吸が必要な今日この頃・・・という男性には特にオススメしたい映画です。
イラストは主人公のフランソワとタクシー運転手ブリュノのツーショット。
オヤジーズ、もとい、中高年男性二人をリアルに描くとフランス映画の趣が伝わりませんので、いつも以上にサラサラっとアッサリ描いてみました。
フランス人って孤独好きそうなイメージがあるのですけど、こっちで暮らしてみると、皆さんとても「群れ」てます。一人でふらっと食事できるところは少ないし。友達がいないっていう状況は日本人以上に辛いものなのかもしれません。
ルコントって初期の作品は辛いエンディングが多かったのだけど、最近はシミジミと終わりますね。本当に。
サラッと描かれたオヤジーズ、いいです。確かにリアルだと中年は趣がアレですね...